整形外科

特徴

整形外科は四肢(手、足)、脊椎の疾患の治療を行う診療科です。

変形性関節症などの変性疾患や骨折、脱臼、靭帯損傷などの急性外傷、スポーツ外傷-・障害、骨粗鬆症などの骨代謝性疾患、関節炎・関節リウマチ等の炎症性疾患など、私たちが扱う分野は多岐にわたります。

近年は高齢化社会が進み、加齢や基礎疾患による骨粗しよう症の患者様が多くおられます。骨粗しよう症が原因で、立った状態から転倒するなど軽微な外力が加わっただけで骨折することを、脆弱性骨折といいます。具体的には大腿骨近位部骨折や脊椎椎体骨折などあげられます。この脆弱性骨折を防ぐためには骨粗しよう症の診断と適切な治療が必要です。既に骨折してしまった方は、さらに次の骨折(二次性骨折)を起こすリスクが高くなることが知られており、次の骨折を予防するため、骨粗しよう症未治療の方は治療開始を、既に骨粗しょう症治療を行っていた方であれば、治療の強化が必要です。

高齢化により変形性関節症、変形性脊椎症などによる四肢、体幹の機能障害も増えてきております。

私たちは保存治療、手術治療等の適切な整形外科的治療を提供し、痛みをとり、運動機能を改善し、皆様の生活の質の向上を目指して日々診療にあたっております。

整形外科診療について

2020年4月より常勤体制となり、現在3名の常勤医が在籍しております。

外来診療は、月曜日から金曜日の午前中に行っております。外来では骨折などの急性疾患や変形性関節症などの慢性疾患に対し、個々に応じた適切な医療を提供できるよう心がけております。

2016年からの健康保険法改正により、200床以上の地域医療支援病院においては他の医療機関からの紹介状がない場合には初診選定療養費が算定する義務があるため、まずはお近くの病院や医院、かかりつけ医を受診していただき紹介状をお持ちの上、当科を受診していただくことをお勧めしております。

手術は、月曜日から金曜日まで行っており、人院手術や外来手術を含めて年間約500件行っております。

股関節、膝関節、肩関節等の人工関節置換術や、関節鏡を使用した膝の半月板切除・縫合術、膝関節周囲の骨切り術、関節鏡を使用した肩の腱板修復術、上方関節包再建術、骨折などの外傷の手術などを中心に行っています。脊椎instrumentを用いた手術を含めた脊椎手術、経皮的椎体形成術、腰椎椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア®)等についても佐賀大学整形外科脊椎グループや当院脳外科と協力して治療にあたるようにしております。

大腿骨近位部骨折に関しては早期手術が推奨されており、当院においても可能な限り早期に手術を行えるよう取り組んでおります。また、脆弱性骨折の患者様の二次性骨折を予防すべく、2022年11月よりFLS (骨折リエゾンサービス)チームを立ち上げました。

FLSとは医師・看護師・薬剤師・栄養士・理学/作業療法士・ソーシャルワーカー等の多職種でチームを作り、二次性骨折を予防するために骨粗しよう症の投薬開始や栄養指導、転倒予防の運動療法など提供する取り組みです。

伊万里・有田地区においても他の地域と同様、高齢化が進んでおり、脆弱性骨折や変性疾患による健康寿命の低下をできるだけ抑制し、いくつになっても元気でいられるよう皆様の人生をサポートしていきたいと思っております。

当院は急性期型病院であり、病状が落ち着かれた患者様の長期入院での治療は難しいため、人院での継続したリハビリテーションが必要な患者様においては他院へ転院していただき、そちらでリハビリテーション治療を継続していただいております。また、外来での通院リハビリテーション治療も行っていないため、通院リハビリテーションが必要な患者様にはリハビリテーション設備のある近隣の病院・医院と連携を図り、当院での診察と並行し治療を行っていただいております。患者様やご家族にはご迷惑をお掛けしていますがご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。

各種資料

• 整形外科で手術を受けられる患者さんへ
• 大腿骨近位部骨折で治療を受けられる患者さまへ
• 日本整形外科学会症例レジストリー JOANR 構築 に関する研究
• 日本整形外科学会症例レジストリー（JOANR）登録データ削除申請書

対応疾患

• 一般外傷
• 骨粗鬆症性骨折（大腿骨近位部骨折、脊椎椎体骨折、橈骨遠位端骨折など）
• 変形性関節症（変形性股関節症、変形性膝関節症、変形性肩関節症など）
• 肩関節周囲炎や腱板断裂など肩周辺疾患
• 手根管症候群や肘部管症候群など絞扼性神経障害
• 脊椎疾患
• スポーツ外傷

手術実績

2022年度　手術件数　513件

• 関節手術（肩関節　14件（うち関節鏡視下 9件）　股関節 44件　膝関節 60件（うち関節鏡視下 17件）　足部・足関節 1件　その他　10件）
• 骨折（骨接合など）　193件　（上肢　66件 　下肢　125件）
• 軟部組織損傷（上肢　2件　下肢　5件）
• 手外科（骨折　14件 　腱・靱帯 　40件　血管・神経　24件 　その他　3件）
• 脊椎手術　20件（頸椎　0件　胸椎　2件　腰椎　18件）
• 良性軟部腫瘍 　10件
• その他（抜釘など含む）　72件

※大腿骨近位部骨折　93件（　骨接合　68件　　人工骨頭置換術　24件　保存治療　0件　その他1件）