検査科

Department of Inspection

検査科

超音波検査

超音波検査は、超音波を用いて体内の病変を調べる検査です。医療器具(プローブ)を体の表面からあてて超音波を送信し、臓器や組織からはね返ってくる反射波を画像化します。超音波検査は基本的に人体にとって無害で苦痛を伴わない検査で繰り返し受けることができます。
当院検査科で行っている超音波検査は主に、上腹部領域(肝臓・腎臓・すい臓・胆嚢など)、心臓、乳腺、甲状腺、頚部動脈です。肝臓内科外来においては肝の線維化(肝硬変の進み具合)も数値化して評価しています。基本予約検査ですが、検査が込み合っている場合にはお待たせすることもございますのでご了承下さい。当院では、最新機器を用い女性技師が担当しています。

超音波検査

心電図検査

心電図とは、心臓の電気興奮を波形として記録したものです。
健康診断や外科、婦人科、整形外科、脳外科などの手術前のスクーリングとして検査を行っています。
また、不整脈や心筋梗塞の診断、心臓の手術後の経過観察としても重要な検査になります。両手首、両足首と胸部6か所に電極をつけ、検査を行います。検査時間は数分で、痛みもなく終了します。厚いタイツなどは、脱いでいただく場合があります。

ECC心電図

ホルター心電図検査

ホルター心電図検査は、日常生活中での心電図を24時間記録し解析する検査です。主に脈の乱れ、胸の痛みなどの自覚症状が心臓に起因しているものなのかを調べます。
当院ではフクダ電子のホルター記録器「デジタルウォーク FM 960 」を採用しています。 検査方法としては、患者様に5×5cmほどの大きさの本体を腰などに取り付け、シールタイプの電極を胸に4箇所貼り付けていただきます。約24時間普段通りの生活を送っていただき、心電図を記録します。お渡しする「行動記録カード」に生活の様子と自覚症状の記入をお願いしています。シャワー程度であれば入浴も可能です。
結果はデジタルデータの解析が必要なため基本的に後日となります。

ホルター心電計

脳波検査

脳はその神経活動によって常に微小な電気を出しています。脳波とはその電気の波を頭皮上に装着した電極より記録し、大脳の活動状態を調べるものです。
脳波検査は一般的に、てんかんなどの発作性意識障害の鑑別、脳腫瘍や脳梗塞・脳出血などの脳血管障害、頭部外傷などで中枢神経系の異常を疑う場合、薬物等による中毒やそれらに伴う意識障害の時などに行われます。
脳波検査の方法は、ベッド上で頭部に電極を装着し、安静・閉眼・覚醒状態で記録を行います。必要に応じて、眼の開け閉め、光の点滅刺激、早く大きな呼吸の繰り返し、睡眠、薬剤負荷などを行いながら記録をすることがあります。 検査に要する時間は約1時間ですが、睡眠脳波までの記録になると90分程度になることもあります。
検査による痛みや苦痛はありません。安心して検査を受けてください。

(検査時の注意事項)

  • 検査前にはトイレを済ませておきましょう
  • 検査前日は頭髪を良く洗い、当日は整髪料はご遠慮ください
  • 頭皮に電極ペーストを使用するため、検査後は洗髪をおすすめします
脳波検査
脳波検査

眼底検査

眼底の血管を撮影し観察することで、網膜などの病気、糖尿病による病変、動脈硬化、眼底出血や緑内障の早期発見に役立ちます。

(検査の手順)

  1. 椅子に座ってレンズの中をのぞきます
  2. 目を大きく開け黄緑色の点滅を見ます
  3. 撮影する際はまぶしく感じますが一瞬で終わります
  4. 反対の目も同じように撮影し終了です

※眼鏡やコンタクトレンズの方は、はずして検査を行います

眼底検査

血圧脈波検査

動脈の硬化、狭窄、閉塞の早期発見、診断をサポートし動脈硬化の評価をする検査です。 両腕、両足首の血圧、心電図、心音を同時に測定することで、血管の詰まりや硬さなど血管の評価をします。
健康診断のオプション検査としても行っていますので、血管年齢が気になる方等に勧めています。

血圧脈波検査

神経伝導速度検査

手や足にしびれや脱力があり、末梢神経障害が疑われる場合に行われます。微弱な電流を用いて神経に異常がないかを調べます。検査部位に電極を貼り、微弱な電流で神経を刺激し、神経の伝わる速度を測定します。手根管症候群、肘部管症候群のほか末梢神経障害の診断に用いられる検査です。少々痛みを伴いますが検査のためですのでご了承下さい。
検査時間は、神経の数にもよりますが、約40分~1時間程度です。

神経伝達速度検査

尿素呼気試験

検査薬を服用し、服用前後の呼気を集めて検査します。ピロリ菌の有無を調べる検査で、除菌判定によく用いられます。

(検査の手順)

  1. 呼気バックに息を吹き込みます(服用前)
  2. 検査薬(錠剤)を飲みます
  3. ベッドに5分間左側を下にして休みます
  4. 15分間椅子に座って待ちます
  5. 呼気バックに息を吹き込みます(服用後)
  6. 5分ほどで検査結果がでますので、医師の診察の順番までお待ち下さい

※朝食を取らずにお越しいただき、午前中に検査を行います

尿素呼気試験

全自動血球分析装置

血液中の細胞である赤血球、白血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板などの濃度を測定します。貧血、血液疾患、炎症、感染症などの診断に使用します。

全自動血球分析装置

全自動凝固測定装置

血液が凝固する(出血が止まる)機能や、線溶(凝固を溶かす)機能を調べます。 抗凝固薬療法(ワーファリン)などの指標となるPTや、血栓症を起こす病気の診断またはその重症度を調べるFDP、Dダイマーなどの項目を測定しています。

全自動凝固測定装置

生化学自動分析装置

血液中の成分を測ることで、肝臓、膵臓、腎臓など内臓の病変をみつけることが出来ます。また、高脂血症、糖尿病、痛風、その他の炎症の診断に役立ちます。
項目としては、AST、ALT、アミラーゼ、尿素窒素、クレアチニン、総コレステロール、 中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、血糖、尿酸、CRPなどがあります。

生化学自動分析装置

免疫発光測定装置

電気化学発光法により、甲状腺ホルモン(TSH、FT4、FT3)、がん疑い時に高くなる腫瘍マーカー(CEA、AFP、PSAなど)、心不全のマーカー(NT-ProBNP)などを測定します。
腫瘍マーカー検査及び心不全マーカー検査は、健康診断のオプション検査にて受検可能です。
詳しくはこちら を参考にしてください。

免疫発光測定装置

ヘモグロビンA1c測定装置

ブドウ糖とヘモグロビンが結合したグリコヘモグロビン(HbA1c)を測定することで、過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を知ることが出来ます。糖尿病のスクリーニングやコントロールの指標に用いられます。

ヘモグロビンA1c測定装置

血液ガス分析装置

採血した血液中の、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素ヘモグロビン、PH、電解質、乳酸などを測定します。呼吸の状態や体内の酸とアルカリのバランスを調べます。

血液ガス分析装置

輸血検査

手術や重度の貧血などで輸血が必要な際、輸血する血液が患者さんに適しているかを調べ、安全な輸血が行えるよう検査しています。血液型検査のほかに、不規則抗体検査、交差適合試験などもあります。

細菌検査

細菌による感染症が疑われるとき、身体のいろいろな部位から検査材料(検体)を採取します。検体には呼吸器系(喀痰、咽頭粘液など)、消化器系(糞便、胆汁など)、泌尿器系(尿など)、血液・循環器系(血液など)や、膿、鼻腔粘液、耳漏、眼脂、脳脊髄液などがあります。それらの材料から感染症の原因となっている菌を特定し、どのような抗菌薬(抗生物質)が有効なのかを検査します。
また、遺伝子検査として、TRC法やPCR法にて生体試料中のSARS-CoV-2 RNA(新型コロナウイルス)の検出も行っています。PCR検査受診について 詳しくはこちら を参考ください。
他にも、各種耐性菌(抗菌薬が効かなくなった細菌)を検出し、院内での感染制御に役立つ情報を提供することも大切な業務のひとつです。

凍結組織切片作成装置(クリオスタット)

手術で摘出された組織をあらかじめ超低温(マイナス100℃)で凍結し、マイナス20℃程度の環境で約5μm(1mmの1000分の5)の厚さで薄切して病理標本を作製する装置です。

凍結組織切片作成装置(クリオスタット)

遠隔病理診断システム

リアルタイムに遠隔地の病理医が病理標本を観察診断できるシステムです。
遠隔地から、スキャナー本体(顕微鏡)の操作ができるため、拡大やフォーカス調整が簡単に操作できます。
手術中に取り出した組織を迅速に病理診断し切除範囲を決定します。

遠隔病理診断システム